さっぽろ西町ハム工房

さっぽろ西町ハム工房について

1964年から札幌市でハム・ソーセージ等の生産販売をおこなう、ニチロ畜産(旧:日魯漁業)
の直売店。
「長年ご愛顧いただいたこの地元で、食品工場とは別の役割を果たしたい。」
「培ってきた技術を駆使して作った本当に美味しいハム・ソーセージを広めていきたい。」
という想いから、札幌市西区西町の工場敷地内に2010年9月25日にオープンしました。

初代の職人は、ハム・ソーセージ造りに長年携わってきた元工場長吉田茂穂。

手始めに、30年程前に販売していた「あらびきウインナー1981」の復刻に取り組みました。
魚肉を使った赤ウインナーや滑らかな生地の絹びきウインナーしかなかった時代に発売し、数年で販売終了した商品でしたが、あらびきウインナーが主流になった今では、元祖とも言える当時そのままの味がきっと受け入れられると考えたからです。

当時の手書きで記されたノートを一枚一枚読み返し、何度も試作を重ねて完成したあらびきポークウインナーがさっぽろ西町ハム工房最初の商品になりました。

厳選した素材

さっぽろ西町ハム工房で扱う食材は、その商品に適しているか香り・味・安全性などを職 人が確認し、厳選しています。
主原料となる豚・牛・鶏肉は北海道産を使用しております。中でもハム・ソーセージ に欠かせない豚肉には特にこだわりをもっています。

ハム・ソーセージ造りにとって最も重要な食材である豚肉。 北海道名寄市の指定農場で育てたひまわり畑ポークを一頭買いし、指定工場で骨から外しています。 高オレイン酸ひまわりの種を搾油したひまわり油粕を飼料に混ぜて育てており、脂に甘みがあり、肉質が柔らかいのが特徴です。



北海道産の牛を名寄・十勝にある自社工場で骨から外しています。加工品であっても、肉の品質は味を大きく左右する重要なポイント。鮮度にまで気を遣いたいという職人のこだわりから、作業者の顔が見える自社の原料を使用しています。良く運動をした乳牛の肉は赤身の色が濃く、味わい深いのが特徴です。



北海道中札内産の田舎どりを使用。鶏は皮つき・骨付きのまま加熱したり燻したりするからこそ、飼育環境に味が左右されやすい食材。保管用農薬不使用、遺伝子組換不使用の飼料に、酵素やヨモギ、海草等を混ぜて与えて育てており、脂が少なく、くさみが少ないのが特徴です。

伝統の技

工房の職人は師弟制で、素材の見極め方から包丁の扱い方、燻煙機の使い方まで全てをひとつひとつ丁寧に受け継ぎます。現在は将来有望な若手社員が、2代目職人伊藤悦郎のもと日々修行をしています。

磨き

肉の状態を見ながら、余分なところを取り除く作業を磨きといいます。脂肪を包丁で切り取り、赤身と脂肪の比率を商品ごとに調節します。北海道産の豚肉は脂つきが良いので、仕込む前の磨きによってハムやベーコンを最適なバランスに整えます。



乾塩法

ベーコンは、香辛料などを混ぜた塩を直接肉にすり込み、低温で寝かせる乾塩法で作っています。乾塩法は味の付き方がばらつきやすく、時間や手間もかかるため、湿塩法で作るよりも高い技術とコストが必要です。それでも乾塩法にこだわるのは、出来上がったベーコンの旨みが格段に違うから。手で直接塩をすり込むことで、多くの水分を排出し、肉の旨みを凝縮させています。



直火式燻煙機

小型の直火着火式の燻煙機で火加減を見ながら燻煙しています。大型の電気着火式の燻煙機よりも、発煙量や温度の調節が難しく手間がかかりますが、ゆっくり温度を上げることで旨みを逃がさず味わい深く仕上げることができます。



木綿糸で手巻き

ロースハムは形を丸くする為に、フィルムと布で周りを覆って木綿の糸で巻きます。ひとつひとつ形の異なるロース肉を同じ形に仕上げるには、糸を時に強く、時に弱く巻いていく微妙な力加減が必要です。丁寧に糸を巻く事によって、見た目の美しさはもちろん、肉の身割れや脂肪の分離を防ぎます。

職人のこだわり

お客様に少しでも喜んでいただけることを願って日々、工房品造りをしております。
せっかく食べていただくからには、ハム・ソーセージ・ベーコン本来の美味しさを余すところなく堪能していただきたい。その想いで、仕込みから完成まで、ひとつひとつの商品の状態をよく見ながら造るようにしています。

肉の鮮度・品位は良いか、熟成後の色つやはどうか、スモークのつき具合は丁度良いか…
塩漬は10日以上かけて熟成しながらじっくりと行い、糸を巻くときも極力見栄えが良くなる様にひとつひとつ手作業で。

これだけ心と手をかけて造ったものですから、美味しさには自信があります。
ぜひ一度このこだわりを、舌で、香りで感じていただければ幸いです。 
       さっぽろ西町ハム工房 職人  伊藤 悦郎

製品ラインナップ